※ GainSpan社は Telit に変わりました。 |
GainSpan社の低消費電流 Wi-Fi(無線LAN)モジュールGS1011シリーズ「GS1011MIC」です。
独自のATコマンドで制御でき、簡単にUDP・TCPコネクション(最大16セッション)、HTTPアクセス(SSL対応)を利用できます。
TELEC認証を取得しており、日本国内で問題なく使用できます。
※ 現在は GS2000(GS2K) シリーズが販売されています。 本ページにも順次加筆していきます。
GS1011MIC や GS1011MIPS, GS1011MEPS の普及を目的に、資料を参照したり実験しつつ勝手にまとめているドキュメントです。 誤りや誤解等を含んでいるおそれがあります。正確にはメーカーのドキュメントをご確認ください。 |
このページはGainSpan社とは関係ありません。 このページの内容についてメーカーや商社へ問い合わせたりしないようご注意ください。 |
GS1011MIC モジュールについて
モジュール | GS1011MIC | GS1011MIPS | GS1011MEPS/MEES |
---|---|---|---|
受信感度 | -83dBm | -81dBm | -81dBm |
RF出力 | +8dBm | +8dBm | +18dBm |
受信時電流 | 140mA | 140mA | 140mA |
送信時電流(Max) | 150mA | 150mA(250mA) | 250mA(350mA) |
Standby | 8uA | 7uA | 7uA |
Deep Sleep | 150uA | 150uA | 200uA |
インターフェース | UART | UART, SPI | UART, SPI |
モジュール | GS2011MIP/MIE | GS2100MIP/MIE |
---|---|---|
GS1011からの置き換えに | 新規設計に |
モジュールを搭載するコネクタが実装済みで、使いやすいピッチ変換基板を販売しています。
2.54mmピッチ 端面スルーホール | 2mmピッチ XBee互換配列 |
---|---|
![]() | ![]() |
Wi-Fiブレイクアウト マニュアル | GSBee マニュアル |
GainSpan社のドキュメントやツール類、ファームウェアなどは、NDA(秘密保持契約)を締結したうえで入手できます。 次のURLのウェブサイトで登録後、ダウンロードしたNDA文書へサインし、指定のアドレスへ送信すると、数日後、ウェブサイトで多数の資料が閲覧・ダウンロードできるようになります。
https://www.gainspan.com/secure/register
ウェブサイトで登録 --> メールを受信 --> NDA文書をダウンロード --> プリントアウト --> サイン --> サインしたNDA文書をスキャン(PDF化) --> GainSpanへ送信
※ NDAの手続きは1週間程度かかることがあります。遅いなと思われる場合は、GainSpanのサポートから問い合わせしてみてください。
上記のNDA締結後、GainSpan社のウェブサイトへログインしてダウンロードできます。
※ 検索エンジンで探すと(”Serial_to_WiFi_Adapter_Guide“)いくつかの資料を見つけることはできますが、ツールやファームウェアなどはNDAを締結しないと入手できません。
コマンドの解説はSoftwareにある GS1011M_EVK2_rev_2_4_3 などのファイルに含まれています。
GS1011MICは無線設備にあたりますが TELEC 工事設計認証 がされているため、使用に際して無線局・無線従事者などの免許はいりません。
ユーザー基板とコネクタで接続するしくみがキモで、取り外しできるモジュールのみが無線設備として区別されます。
もし、モジュールのみを直接ユーザー基板へはんだ付け等で固定し、取り外し不可能な形態にすると、その基板全体が無線設備という扱いになり、あらためて全体で認証をとる必要がありますが、 当変換基板は、変換基板とGS1011MICがコネクタで分離されていますので、変換基板の部分であれば半田付けなど自由に行うことができます。
なお、認証を受けていないアンテナの使用や、モジュールを分解・改造した場合も、技適の適用外になってしまうため注意が必要です。
※2012/8/10現在、はんだ付けタイプのモジュールも技適認証が可能になっています。 (その際は、はんだ付けタイプとしての技適認証がされているもの( GS1011MIPS, GS1011MEPS, GS1011MEES )をお使いください。GS1011MICはコネクタタイプの認証です)
※GS2000シリーズも TELEC 工事設計認証済みです。詳しくはドキュメントを参照してください。
ARIB STD-T66 の規定により、本モジュールを組み込んだ機器には現品表示が必要です。
表示方法や寸法、フォント等は特に定められていません。(汚れにくく、はがれにくいもの、読みやすく、わかりやすいものとなっています)
例:
2.4DS1 ― ― ― |
野外固定設置の場合
2.4GHz帯小電力データ通信システムの無線局 運用者 泥沼商事株式会社 電波部 連絡先 TEL 06-893-0120 URL http://www.xxx.com |
モジュールには使用する機能に応じていくつかのファームウェアが用意されています。 専用の書込みツール「Serial Flash Programmer」を使うことにより、パソコンのシリアル(COM)ポートを経由して書き込むことができます。
モジュールのCPUはARM7のデュアルコアで、無線部の制御(WLAN)とユーザーアプリケーション(APP FW)で分けられています。工場出荷時はSerial to Wi-Fiが書き込まれています。
ユーザーアプリケーションは、開発キットにより独自のプログラムを製作すれば、Serial to Wi-Fiでは使われていない、I2C・SPI・ADCなどのピンも利用可能になります。
(開発キットはいいお値段するようです)
GS1011M EVK 2_3_5 などのファイルに含まれる EvalKit_Setup を実行すると「Serial Flash Programmer (gs_flashprogram)」がインストールされます。
PCのシリアルポートとは電圧レベル変換をし(FT232などのUSB=シリアル変換やMAX232等)、UART0_TX、UART0_RXを接続します。 さらにUART1_RTSを10kΩ程度の抵抗器でプルアップした状態で電源を入れると、ファームウェア書き換えモードになります。
Wi-Fiブレイクアウトは端子に抵抗器を接続してプルアップしてください。 GSBeeの変換基板裏面にプルアップを簡単に行えるよう、はんだジャンパーが設けられています。
2.3.8 からgs_flashprogramなどのツールは別のファイルで供給されるようになったようです。 「Programing utility DOS v7.15」などをダウンロードしてお使いください。 コマンドプロンプトで操作する必要があります。 使い方はファイルに含まれている gs_flashprogram_help.txt を参照。 バージョン 2.4.x はGS1011MICに対応していません。(GS1011MxxSには対応)
ファームウェアはGainSpan社のウェブサイトへログインし、SDK BUILDER からダウンロードします。
ファームウェアの更新は、ダウンロードできる EVKなどのファイルに含まれている gs2k_flashprogram を使います。
GS2011はGPIO27をプルアップ・GPIO25とGPIO21をプルダウン(UART0/115.2Kbps)
GS2100はGPIO31をプルアップ・GPIO25をプルダウン(UART0/115.2Kbps)
した状態で電源を入れると、ファームウェア書き換えモードになります。
ファームウェアは Super Block (superblock_2MB_xxx.bin) と FW (gs2100_s2w_x.x.x.bin) を書き込みます。
ファームウェア (WLAN FW) | |
---|---|
WFW-REL-2_0_44 | Serial to Wi-Fi 2.3.5用 |
WFW-REL-2_0_45 | Serial to Wi-Fi 2.3.8用 |
WFW-REL-2_0_46 | Serial to Wi-Fi 2.3.12用 |
Serial to Wi-Fi (Version 2.3.12 / 2.3.8 / 2.3.5)
ファームウエア(APP FW) | Infrastructure | Limited AP | DHCP Server | WEB Server | HTTP Client | NTP Client | WPS |
---|---|---|---|---|---|---|---|
Enterprise Security (EAP) | o | x | x | x | o | o | x |
Secure Web Server Provisioning | o | o | o | o | o | x | x |
Web Server Provisioning | o | o | o | o | o | x | x |
Web Server Provisioning with WPS | o | o | o | o | x | x | o |
Wi-Fi Protected Setup (WPS) | o | o | x | x | o | o | o |
一般的なアクセスポイント(AP、無線ルーター)に接続して、ネットワークに参加できます。
インターネット接続するデバイスや、ネットワークで多数と通信する用途に向きます。
OPEN, WEP, WPA, WPA2, WPS の認証方法が利用できます。
HTTPS(SSL)アクセス機能を搭載しており、セキュアな接続を利用できます。
[GS1011] --- Wi-Fi ---> [アクセスポイント(AP)]
同じアドホックモードのモジュールやWi-Fi端末と1対1で接続できます。
1対1で相互通信する用途に向きます。
OPEN, WEP の認証方法が利用できます。
[GS1011] <--- Wi-Fi ---> [GS1011]
モジュール自身がアクセスポイント(AP)になり、他のモジュールやWi-Fi端末からの接続を受付けます。
iPadやiPhone、Androidなどから接続して、コントローラーとして使う用途に向きます。
Wi-Fi Direct のような使い方ができます。
OPEN, WEP の認証方法が利用できます。
DHCPサーバ機能、DNSサーバ機能を搭載しており、IPアドレスの自動発行やアクセスポイントの簡単な名前解決を提供します。
[GS1011(AP)] <--- Wi-Fi --- [端末(PC, Phone)]
都度、ATコマンドによりアクセスポイントのSSIDやパスフレーズを指定して接続・切断の操作行います。
TCPやUDP接続も、ATコマンドによりソケットを開いて通信します。
データは所定の書式でヘッダ等を付け、UARTへ入力するとTCP/UDPで送信されます。
TCP/UDPで受信されたデータも、所定の書式でUARTから出力されます。
XBeeのAPIモードと同じような考え方です。
あらかじめ設定された(プロファイルに保存できる)アクセスポイントまたはアドホックへ接続し、同じくあらかじめ設定された相手先IPアドレスとTCPまたはUDPで接続し通信できます。
オートモードで接続後は、UARTで入力されたデータがそのままTCP/UDPで送信されますので、ATコマンド操作は不要です。
TCP/UDPで受信されたデータは、UARTへそのまま出力されます。
XBeeのトランスペアレントモード(透過モード)と同じような考え方です。
単純な シリアル=Wi-Fi(Ethernet)変換 として使うのでしたら、オートモードがいいでしょう。
※オートモードにはいくつかの制限がありますので詳しくはドキュメントを参照してください。
GS1011モジュールを組み込んだ製品を出荷した後、Wi-FiのSSIDやパスフレーズをユーザの環境に合わせるために、以下の手段が用意されています。
約100m(実測、周囲の状況により変わります)
TCPでの計測値です。UDPならもっと早いかもしれません。
無線区間は最大11Mbpsだが、インターフェースのUARTのほうが遅いので頭打ちになってしまう。
SPIが使用できるGS1011MIPS, MEPS等なら、最大3Mbpsのためもっと早いデータのやり取りができると思われます。
UART | フロー制御 | Bytes/180s | bps |
---|---|---|---|
9600bps | なし | 172,032 | 7645 |
115.2kbps | なし | 2,053,120 | 91.2k |
115.2kbps | RTS,CTS | 2,060,288 | 91.6k |
230.4kbps | なし | 4,071,424 | 181.0k |
230.4kbps | RTS,CTS | 4,114,432 | 182.9k |
460.8kbps | RTS,CTS | 8,022,016 | 356.5k |
921.6kbps | RTS,CTS | 13,991,936 | 621.9k |
※ ペイロードのみの値です。TCP/IPヘッダ(40Bytes)などを加えると実際のスループットはもう少し早い。
Wi-Fi接続を維持したまま、無線部やシステムの電源を落として電流を削減することができます。
無線部の電源をOFFにし、MPUはスリープします。
ATコマンド入力により復帰します。
TCP/UDPが接続中の場合、無線部はONのままとなります。
Wi-Fiアソシエーション情報などをRTC内のメモリへ退避し、RTC以外のシステムの電源をOFFにします。
指定時間経過後、またはALARMピンによる割込みにより復帰します。
復帰後、退避していたアソシエーション情報をロードして動作を再開します。
モジュールを簡単に使うためのライブラリが公開されています。 もちろんマニュアルを元に独自にプログラムを組んでもOK。
オートモードで使用するならこれらのライブラリは不要です。
ライブラリ等は無償・無保証で提供されています。 それぞれのライセンスについては、それぞれのファイル中の記載をご覧ください。
MooSoft さんが GS1011MIC の設定を簡単に行い、テストをするためのツールを製作されています。
CPU GS1011MIC TXD -------- UART0_RX RXD -------- UART0_TX ( CTS -------- UART0_RTS ) ( RTS -------- UART0_CTS ) GPIO ------- RESET GPIO ------- ALARM0
フロー制御(CTS、RTS)も接続しておくのがおすすめです。
PCと接続する場合は、FT232などのUSB=シリアル変換のUSARTや、RS-232CであればMAX232等のレベル変換ICを経由して接続します。
※ RESETピンのHighレベルは1.8V(VDDIO4に依存)ですので、オープンコレクタ(またはオープンドレイン)接続してください。
コマンドをUART、データストリームをSPIとすれば、CPU=モジュール間のインターフェースが10Mbpsと高速になる。
ファームウェアは SDK BUILDER にて構成し、GS2000モジュールへ書き込んでおく。
GS2000→CPUのデータストリームは、WAKEピンのHighを検出して、ダミーデータ(0xf5)を送ることにより取得できる。
CPU→GS2000のデータストリームは、WAKEピンがLowのときにデータを送る。
データの書式は、UARTのときと同じ。
Wi-Fiモジュール製品について